大内山雑記帳 

フェリックス・キャンデラ 経歴

いつも、研修旅行の前に、会から資料本をいただきます

その中に、キャンデラの経歴を書いた部分がありましたので、勝手に要約します

(川口先生の書かれたものから、いただいています)


フェリックス・キャンデラ
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1910年、マドリード生まれ・・・・生まれも育ちもスペインです

マドリード建築学生時代には、スキーの国体チャンピオンになり
また、自ら率いるラグビーチームを、国内優勝に導いた、というから
スポーツ万能、花形選手だったようです

ヨーロッパの建築大学では、構造は教えない

しかし、キャンデラは、建築造形に構造が重要であることを、直感的に理解
当時、既にシェル構造で名を上げつつあった「トロハ」に、強い関心を抱く

トロハに会おうと試みても面会できず、
講演会に出席しても、シェル理論が難解で、話に付いて行けず
失意の繰り返しであったという

しかし、構造を諦めず、ついに、海外研究奨学生に選ばれて
1936年、ドイツ行きの切符と、構造大家への紹介状を手にしたキャンデラ
まさに、マドリードを発とうとしたその時、スペイン内戦が勃発し、彼も巻き込まれていく

ドイツで学ぶ・・・という夢は、消え去ってしまいました

彼は共和主義側にたって参戦、フランコ勢力に破れ、収容所行き
そして、国外追放

メキシコへ移住して、そこが、その後の彼の活動拠点となっていったのでした

彼は、その青年時代を振り返り
「ドイツでの勉強のチャンスは奪われたけど
 革命と内戦で得た知識は、それを補って余りあるものだった」・・・と言っている

ここまでが、彼の青年時代

まさに、波乱万丈の生涯であったようです

その中で、スペイン派の構造アーティストとして、3人の名
 アントニオ・ガウディ
 エドワルド・トロハ
 フェリックス・キャンデラ
  ・・・・共通点は、構造の要素として、双曲面を用いたということ


ちなみに、スペイン派近代絵画の巨匠3人は
 パブロ・ピカソ
 ホワン・ミロ
 サルバドール・ダリ


メキシコへ移住後のキャンデラ

初めの10年は、シェル構造の勉強と、建設業の修行
シェル構造を造り始めたのは、1950年頃から
その後、多くの構造物実現を可能にした、時代的・場所的幸運

・第二次世界大戦後の建設需要
・低賃金の労働力が大量に得易い、メキシコという土地柄
・当時のメキシコではまだ、建築法規が厳密ではなかった
・1970年までの20数年間が、「メキシコの奇蹟」と言われる経済成長を達成
・1968年、メキシコオリンピック開催

少し長くなりましたが、キャンデラの青年時代
メキシコの土地でキャンデラが活躍した、時代的背景が分かるので
転載させていただきました

そんなこんなを知ると、キャンデラの作品を、また興味深く見ることが出来るのでは・・・・・

最後にキャンデラの作品ページ
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フェリックス・キャンデラ 経歴_e0040345_9331484.jpg



フェリックス・キャンデラ 経歴_e0040345_9332995.jpg








追加画像・・・シェル構造で有名な建築物
サーリネン設計のJFK空港ビルと、ウッツォン設計のシドニーのオペラハウス
フェリックス・キャンデラ 経歴_e0040345_214309.jpg




フェリックス・キャンデラ 経歴_e0040345_2145350.jpg

by ouchiyama-archi | 2009-10-15 09:33 | メキシコの旅 09.09
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